鋳込みという手法の紹介

この記事は古いサイトからの移行なのでキャラやテンションがおかしい可能性があります。
ご了承下さい。

ずいぶん前に「新シリーズをやるかもしれません」とかって
鋳込み石膏型の記事をアップしたの覚えてる方いらっしゃるでしょうか。

えーっと、なかったことに。

まず「鋳込みってなに?」ってことを説明してなかったことに気づいたので
という体のいい言い訳。

先日ご紹介したカラフルフリーカップはこの「鋳込み」という方法で作っています。
鋳込みと言うと金属のをイメージする方が多いでしょうし
そのほうが有名ですが、陶芸にも同じ名前の手法があります。

今回はこの作品のメイキングをご紹介
……したかったのですが、写真が足りないので
同じシリーズの新作、「ロックボウル」でご紹介します。
(下の写真はまだ焼き上がってないので生土の荒い状態です)

2016-07-028


まず、鋳込みというのはざっくり説明すると
「器がすっぽり入る形の石膏型にどろどろの粘土(泥漿)を流し込んで
できた膜を器として整形する」方法です。さっぱり伝わらないですね。

まず、こういう石膏型があります。

2016-07-28 16.35.08

これは上から見た図でわかりづらいですが、泥漿の入口になります。

ここから泥漿を流し込んで、

2016-07-28 16.37.59

最初は表面張力的な感じに盛り上がってるんですが、
しばらくするとこう泥漿の量が減って膜ができてるのがわかると思います。

これは、「石膏型が水を吸う」という特性を活かしたものです。
どろどろの粘土から石膏型によって外側の粘土だけ水が抜けて
全体の容量は減って石膏型に沿って膜ができるんですね。

このくらい膜ができたら、中の泥漿を流し出します。
それで膜だけ残って、器の形になるわけです。

 

膜がある程度乾いて器の形を保てる程度の硬さになったら
型を外していきます。

2016-07-27 18.01.48

これが底と半分だけ石膏型をはずした状態です。
胃袋みたいのができてますね。
これが膜なので、中が空洞です。

 

完全に型を外すとこんな感じ。

2016-07-27 18.06.54

入り口の余計な部分を取ると、最初の写真のようになります。

 

ざっくりですが、これが鋳込みの手法です。

この型の作り方、ネットで検索してもどこにも載っていなくて
先生が慣れているからどうにかなったものの、苦労しました。

ので、今度余力があるときに型の作り方を説明できればなあって。
主に自分用の制作メモなんですけどね。

Share on SNS

「鋳込みという手法の紹介」の目次

同じカテゴリの新着記事