練込磁器ができるまで その2:木目風模様を作る

この記事は古いサイトからの移行なのでキャラやテンションがおかしい可能性があります。
ご了承下さい。

前回は色土を1色作ったところで混乱してやめましたが、
日を改めたら気を取り直せましたので全ての色土を作りました。
いよいよ木目模様を作っていきます。

各粘土の確認

模様を作り始めてからですと取り返しがつかないので
ここまでできた色土を確認しておきます。

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全部似たような色に見えると思いますが、
左2つが白、右上ふたつが緑・茶色の色土、
右下ふたつが失透磁土(※)です。
だいたい同じ大きさに、四角のブロックにまとめておきます。

※ 失透磁土とは、普通の磁土に「カオリン」という粉末を加えたもの。
私の使っている磁土は透光性があるのですが、カリオンを混ぜると
透光性を失い、光が透けなくなります。
白い部分にこの失透磁土を含めると、光にかざした時に
面白い表情が出せるのです。

磁土は焼くと(少し青みががった)真っ白になりますので、
色は濃く出がちなんですね。
こんなに同じ色に見えてても
実は現時点では色が濃すぎたと感じています。

テストピースを基に計算してあるとはいえ、
焼き上がりまで色の加減が分かりません。
そこが練込で最も難しいところです。

ここからは、乾かないように
ことあるごとに霧吹きをかけて柔らかさを保ちます。

模様にしていきます

いよいよ本格的に練込の作業に入ってきます。

私の作る木目シリーズはとてもシンプルですので
これといって特筆することはないのですが……。

まず、各色を設計に沿って重ねます。

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上から、白・茶・失透磁土・白・緑・失透磁土、です。
かなり色が同じでわかりづらいですね;

下に敷いてあるのはスポンジシート。
磁土を扱うにあたって、とても適した素材です。

 

これを高さを抑えながら伸ばし、半分に切って重ねます。

2014-07-16 17.05.37 2014-07-16 17.07.31

ちなみに右の写真上部に写っているのは、
青竹から作ったオリジナルの道具です。

 

この手順を4回~5回繰り返して、まずはストライプ模様を作ります。

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断面は比較的わかりやすいですね。
2回繰り返した時点の写真です。

ちなみにここまでかなり空気が入っていますが、
最終段階で気泡が抜けるのであまり気にせず
作業してしまいます。

満足のいく幅のストライプに仕上がったら、
伸ばしたり縮めたりしつつ歪ませます。
ここで木目っぽくなるんですね。

型紙に合わせて形をまとめる

型紙に合わせてちょうどいい大きさの
楕円にまとめます。

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スライスする

いざ、模様の確認。
3mmのタタラ板を使って、切り糸でスライスしていきます。
この瞬間は練込作陶で2番目に大好きな瞬間ですね。
ちなみに1番はもちろん焼き上がりです。感動する。

 

スライスすると、きれいな木目風の模様が出ました!

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最初に柔らかくしておくのは、この工程で硬すぎると
うまくスライスしきれなくなってしまうためです。

 

長くなりましたので、次回に続きます

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