アクセサリ・陶磁器・雑貨の手作りユニット
スライスしたたたらをきれいにしたら、やっと成形です。
手ろくろの上に用意した石膏型の上にたたらを置いて
押し付けて形を作っていきます。
私の作る器の形の特長は
この石膏型によるところが大きいです。
練込の本をたくさん書かれている
室伏英治先生の影響ではあるのですが。
(ここまで本の紹介をしていなかったのが考えられない)
押し付けたたたらの形をよりはっきりさせるために
なめし革で表面をなぞります。
乾かす前に、ハンコを捺しておきます。
この時点でこんなに色が見えているのは、
完全に焼いたら濃すぎるパターンです……
しかも木目ももう少し細かくしたかった。
練込は難しいですね。
普通の陶土での板作りでは、石膏型が水を吸って
きちんと形になるのですが
磁土は腰が弱くてこのまま型を外すと形が崩れてしまいます。
そこで、企業秘密ばりの方法をとります。
まあそんなに大したことではないので紹介してしまいますが
普通ありえません。
石膏型にかぶせたまま、ドライヤーで乾かします。
※ この方法はまだ成功が確立していません。
絶対に真似しないでください。→ 8/7追記: セーフでした。きちんと焼けましたよ。
これは先生と徹夜ぎみで作業しているときに
ハイテンションで思いついた方法。
このまま買い物に行って帰ってきたら
真っ白になっていて大笑いしたのはいい思い出です。
石膏型にかぶせたままの乾いたたたらに
小さな板をかぶせ、ひっくり返します。
そのまま石膏型を引き抜くと……
成形完了です!
次は素焼き前の仕上げ作業。
よろしかったらまたご覧ください。
以前にご紹介した、四角いホタテのような磁土練込のお皿
若干失敗したものをテストとして焼いてみたのですが、
焼き上がりましたのでご紹介します。
ちなみにこちらが焼く前。
ほぼほぼ真っ白でした。
そして焼き上がり。
テストなのでろくな写真撮ってないのですが……
歪んでしまったもの(手前)を無釉薬で、
最後にとったので小さくなってしまったもの(奥)に透明釉をかけました。
私は透明釉をかけたほうが仕上がりが好きなのですが、
先生は無釉のほうがきれいだとおっしゃるので
実際半々ずつにしようかと思っています。
かなり色が出ているのがお分かりいただけるかと思います。
これが顔料練り込みの本当に難しいところ。
もっと淡い色を出したかったんですが、なかなかうまく行きません。
型の問題で、上の四辺が避けやすかったのですが、
案の定、奥のひとつは1箇所ヒビが入っていました。
成功率50%ということですね。
今展開している「練込磁器ができるまで」シリーズの中で
ご紹介している、ドライヤーで乾かすという強引な方法。
実は、奥のひとつがこれを用いてるんですね。
もしかすると、この方法をとったものが全滅という可能性も……
なので、あれはまだ真似しないでください。
他のものの成功を見届けたら、追って公開します。
ちなみに、こちらも薄い磁器なので光にかざせば透けます。
模様がきれい。
素焼き時点まではキレイにとれている6枚が
本番としてこのあと控えています。
いちいちひとつずつ焼いているともったいないので
窯いっぱいまで溜めてから焼く予定なのです。
要するに、直前になって全滅、という可能性もあります。
どうにかうまく焼けるといいのですが……
前回の記事までの工程で成形が完了したお皿を
素焼きに入れるための準備をします。
丸一日以上よく自然乾燥させます。
今回はドライヤーである程度乾かしてありますので
特に必要ありませんが、まだ柔らかい生土の場合は
新聞紙をかぶせるなどして、急乾燥や変形・汚れを防ぎます。
また、縁部分は乾きやすいので適量ラップなどで保護します。
縁は型紙に合わせてデザインナイフで
切り落としたままの状態でバリがありますので、
丁寧に整えていきます。
大きく形を変えるときは超硬カンナで削り、
形を変えずに滑らかにするだけの場合は
水を多めに含ませたスポンジでなぞると
滑らかな縁になります。
ちなみに、この時点ではとても脆いので
本当にそーっとやらないと、こんなことももちろん起こりえます……
もともと成形が失敗気味だったものだからまだしも、
とてもショッキングで残りを触りたくなくなりました。
全体をチェックし、もしひび割れが見つかった場合には
素焼き後の修正が難しいので、ここで手を加えておきます。
手に少量の水をつけ、ひび割れの周りの粘土を
溶かすようにしてひび割れを埋めていきます。
多少模様は崩れますが、素焼き後にスポンジヤスリで
表面のヨレを削ることにより、模様がはっきりします。
次回は素焼き後、本焼き前の準備です。
よろしかったらまた続きをご覧になってください。