アクセサリ・陶磁器・雑貨の手作りユニット

うたかたファクトリー

1 2 3 4 5 8

練込磁器ができるまで その5:素焼き準備

前回の記事までの工程で成形が完了したお皿
素焼きに入れるための準備をします。

乾燥

丸一日以上よく自然乾燥させます。

今回はドライヤーである程度乾かしてありますので
特に必要ありませんが、まだ柔らかい生土の場合は
新聞紙をかぶせるなどして、急乾燥や変形・汚れを防ぎます。
また、縁部分は乾きやすいので適量ラップなどで保護します。

バリ取り

縁は型紙に合わせてデザインナイフで
切り落としたままの状態でバリがありますので、
丁寧に整えていきます。

大きく形を変えるときは超硬カンナで削り、
形を変えずに滑らかにするだけの場合は
水を多めに含ませたスポンジでなぞると
滑らかな縁になります。

2014-07-17 17.25.50

ちなみに、この時点ではとても脆いので
本当にそーっとやらないと、こんなことももちろん起こりえます……

2014-07-17 18.07.05-1

 

もともと成形が失敗気味だったものだからまだしも、
とてもショッキングで残りを触りたくなくなりました。

ひび割れの修正

全体をチェックし、もしひび割れが見つかった場合には
素焼き後の修正が難しいので、ここで手を加えておきます。

手に少量の水をつけ、ひび割れの周りの粘土を
溶かすようにしてひび割れを埋めていきます。

多少模様は崩れますが、素焼き後にスポンジヤスリで
表面のヨレを削ることにより、模様がはっきりします。

 

次回は素焼き後、本焼き前の準備です。
よろしかったらまた続きをご覧になってください。

練込磁器ができるまで その6:本焼き準備(完結編)

さて、前回までに素焼き準備をして
窯にいれたお皿ですが、素焼きから上がってきました。

と、いうことは。

私の最も嫌いな……ヤスリがけでございます。
単純作業なのに割る可能性が高い。
高価なスポンジヤスリがガンガン減るのがストレス。

気を取り直して。

まず、メッシュヤスリで内側の布目、
外側のなめし革の痕を消していきます。

S

磁土は陶土に比べて焼き上がり時点でかなり
硬いので、とにかく凹凸が消えません。

ガッツリゴシゴシやりたいのですが、
硬くても薄いので
力を入れすぎると案の定割れます。怖いです。

ある程度削ったら刷毛で粉を落として、
様子を見てまた削って……

練り込みじゃなければ削りカスは
スポンジでぬぐって消したいのですが、
練り込みの場合は模様の間に水が入って脆くなるので
刷毛でこすったほうがトラブルが無いです。

と、練り込みの本をたくさん描いてらっしゃる
室伏先生がおっしゃるので、素直に従っています。

メッシュヤスリであらかた削ったら、
#320~600のスポンジヤスリでヤスリ傷を消して、
さらに#800~1000のスポンジヤスリで仕上げます。
要するに、計3回ヤスリがけをするわけですね。
かなり時間がかかります。1枚1時間くらいかな。

これがビフォーアフター。あまり写真では伝わらないですね……。
外側なのですが、なめし痕がきれいになっています。
模様もハッキリと出てきますね。

2014-07-30 19.32.31

2014-07-30 19.33.01

ちなみにスポンジヤスリというのはこういうのです。
スポンジに細かいヤスリが付いているので、
曲線でも綺麗に磨けるんですが、とにかく目がすぐ詰まる。
ガンガン減ります。お安いものではないんですが。

2014-07-30 21.12.14

 

ヤスリがけが終わったら、釉薬をかけます。

とはいえ、今回の色が濃すぎたので、
ひとつだけ透明釉薬をかけて
他は無釉薬で仕上げています。

2014-07-30 21.22.24

次回の酸化焼成の窯稼働が月曜日なので、
水曜には完成品が出てきます!
失敗作のテストですが。

長かった「練込磁器ができるまで」シリーズは
これにて完結です。長い間ありがとうございました。

完成報告がなければ……お察しください。

練り込み陶芸で新しい試み

練り込みで、新しい試みをしてみました。

模様の作り方

今までは単にストライプを歪めただけの
いわゆる板目に沿って材をとった風の
模様でした。
※参考: 木目風模様を作る

今回はよりリアルに木目っぽさを表現したくて
模様の作り方を変えてみました。
まだ素焼き後の写真しかなくて
わかりづらいのですが……

2014-07-26 18.30.51-1

(大げさにコントラストを強くしています)

色もいい感じにできたし、
焼き上がりが非常に楽しみな作品です。

たたらの厚さ

今まで3mmのものを叩いて
2mm強にしていたのですが、
丈夫な磁器とはいえ
焼き上がりがどうも心もとなく
使う人のことを考えても
もう少ししっかりしていたほうがいいかな、と。

そこで、今回は4mmのたたらにしてみました。
これでうまく透けるようなら、今後4mmにしてみます。

 

練り込みも始めたばかりなのと
資料が少ないので、まだ試行錯誤中です。

いつか安定した作品を作れるようになりたい。

1 2 3 4 5 8

ページトップへ戻る
debug mode