アクセサリ・陶磁器・雑貨の手作りユニット
前回の記事までの工程で成形が完了したお皿を
素焼きに入れるための準備をします。
丸一日以上よく自然乾燥させます。
今回はドライヤーである程度乾かしてありますので
特に必要ありませんが、まだ柔らかい生土の場合は
新聞紙をかぶせるなどして、急乾燥や変形・汚れを防ぎます。
また、縁部分は乾きやすいので適量ラップなどで保護します。
縁は型紙に合わせてデザインナイフで
切り落としたままの状態でバリがありますので、
丁寧に整えていきます。
大きく形を変えるときは超硬カンナで削り、
形を変えずに滑らかにするだけの場合は
水を多めに含ませたスポンジでなぞると
滑らかな縁になります。
ちなみに、この時点ではとても脆いので
本当にそーっとやらないと、こんなことももちろん起こりえます……
もともと成形が失敗気味だったものだからまだしも、
とてもショッキングで残りを触りたくなくなりました。
全体をチェックし、もしひび割れが見つかった場合には
素焼き後の修正が難しいので、ここで手を加えておきます。
手に少量の水をつけ、ひび割れの周りの粘土を
溶かすようにしてひび割れを埋めていきます。
多少模様は崩れますが、素焼き後にスポンジヤスリで
表面のヨレを削ることにより、模様がはっきりします。
次回は素焼き後、本焼き前の準備です。
よろしかったらまた続きをご覧になってください。
さて、前回までに素焼き準備をして
窯にいれたお皿ですが、素焼きから上がってきました。
と、いうことは。
私の最も嫌いな……ヤスリがけでございます。
単純作業なのに割る可能性が高い。
高価なスポンジヤスリがガンガン減るのがストレス。
気を取り直して。
まず、メッシュヤスリで内側の布目、
外側のなめし革の痕を消していきます。
磁土は陶土に比べて焼き上がり時点でかなり
硬いので、とにかく凹凸が消えません。
ガッツリゴシゴシやりたいのですが、
硬くても薄いので
力を入れすぎると案の定割れます。怖いです。
ある程度削ったら刷毛で粉を落として、
様子を見てまた削って……
練り込みじゃなければ削りカスは
スポンジでぬぐって消したいのですが、
練り込みの場合は模様の間に水が入って脆くなるので
刷毛でこすったほうがトラブルが無いです。
と、練り込みの本をたくさん描いてらっしゃる
室伏先生がおっしゃるので、素直に従っています。
メッシュヤスリであらかた削ったら、
#320~600のスポンジヤスリでヤスリ傷を消して、
さらに#800~1000のスポンジヤスリで仕上げます。
要するに、計3回ヤスリがけをするわけですね。
かなり時間がかかります。1枚1時間くらいかな。
これがビフォーアフター。あまり写真では伝わらないですね……。
外側なのですが、なめし痕がきれいになっています。
模様もハッキリと出てきますね。
ちなみにスポンジヤスリというのはこういうのです。
スポンジに細かいヤスリが付いているので、
曲線でも綺麗に磨けるんですが、とにかく目がすぐ詰まる。
ガンガン減ります。お安いものではないんですが。
ヤスリがけが終わったら、釉薬をかけます。
とはいえ、今回の色が濃すぎたので、
ひとつだけ透明釉薬をかけて
他は無釉薬で仕上げています。
次回の酸化焼成の窯稼働が月曜日なので、
水曜には完成品が出てきます!
失敗作のテストですが。
長かった「練込磁器ができるまで」シリーズは
これにて完結です。長い間ありがとうございました。
完成報告がなければ……お察しください。
大変お待たせいたしました!
誰か待ってくれているといいのですが、
「練込磁器ができるまで」シリーズで
延々制作工程をご紹介していた
木目皿が焼き上がりました。
例によって成形時点で難ありのものを
試し焼きしましたので、ちょっと歪んでいますが、
手前が透明釉、奥が無釉薬です。
窯から出てくるまでは、
熱を加えたら形を保てないかもしれないと思っていましたので、
きちんと形になって焼けたものをご紹介できて本当に安心しました。
ドライヤー大作戦もきちんと確立しました。
しかし、イメージより目が荒すぎたのが今回の反省点。
ポップになってしまいました。
以前ご紹介した青い角貝波皿くらいが好みです。
これはこれでかわいいのかもしれませんが、
自分はカッコいいものが好きなので……。
重ねる回数数えとけって話ですよね。
個人的には色も少し濃すぎたような気がしますので、
もう一枚テストでわら白釉薬をかけて
焼いてみようかな、と思っています。
ひとまず完結、です。