アクセサリ・陶磁器・雑貨の手作りユニット

うたかたファクトリー

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練込という陶芸手法について

私が現在、主な作陶手法としている「練込」について
少しみなさんにご紹介したいと思います。

練込とは、通常の絵付けや釉薬での色付けと違い、
予め色土を用意して、それを組み合わせて模様を作っていく手法です。

ちょうど半磁土で薔薇の小皿を作った時の工程の写真を
先生にたくさんとっていただいたので
写真を用いて手順の一例をご紹介します。


 

まず、色土を用意してグラデーションを作成します。

練込:色土作成

トルコの練込顔料を使って、トルコ5%から白のグラデーションを作成しました。

出来上がったグラデーションから、
花びらの元になるパーツを作ります。

練込:グラデーション

ちなみに磁土の場合で言えば、水分調整から色土の作成までだけで
先日は2時間かかりました……

作った花びらを、長さ順に水で接着します。

練込:パーツの接合

接着した花びらを、ロールアップしていきます。


練込:巻き上げ 練込:巻き上げ

巻き終わって、薔薇の模様ができました。
半磁土などの陶土の場合、1週間ほど寝かせます。

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5mm厚にスライスします。きれいな薔薇模様が見えてきます。練込:スライス

これを石膏型にかぶせて、お皿の形にしていきます。

練込:成形

その後、素焼きしたあとヤスリがけして、透明釉薬をかけて本焼きしてできあがりです。

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ご覧のように練込は、作陶初期から想像力を必要とします。
色の調整・どんな模様になるのか・目指す模様に
近づけるにはどのような手順を踏むか。

手間がかかるぶん、普通の色付けではできない
複雑で美しい模様ができるのが練込の魅力です。

ひとつの模様の塊からは何枚か同じ模様がとれますが
決していつでも同じ模様ができるとは限らないのも
一点ものとしての魅力につながっています。

対面販売では、磁器練込を中心に素敵な作品を
たくさんご用意できればと考えています。

磁土練込のピンク木目皿

ここのところは磁土練込にハマっています。
特にオリジナリティを出せているのが、木目シリーズかなと思っています。

通常は、このように普通の木目調のお皿なんですが、

練込木目皿(ピンク)

ちょっと特殊な透光性のある磁土を使っているので、光にかざすと透けるんです。

練込木目皿(ピンク)

磁土木目調皿

特に印を捺した部分は、薄いのでとてもよく透けてキレイです。

普通に使っている時と、光にかざした時、
ふたつの表情が楽しめます。

実はこの粘土、通っている教室にはないので、
自腹で20kg購入しました。
試作品だけで5kgは使ってしまいましたが……

これから商品にできるものをたくさん作っていく予定です。

素焼き上がり・ヤスリがけ

素焼きからあがったお皿たちをヤスリがけしました。

先述の通り、面倒くさがりの私はこの作業が苦手で苦手で
つい溜め込んでしまいました。

それがこちら。

大量のお皿

 

どうすんのマジでこれ。ってなりました。
ヤスリがけの手間もそうなんですが、焼成費が……

ともかく、磁土練込は基本的に3回ヤスリがけします。
まずメッシュヤスリ、次に600番、最後に1200番。
ふつうの粘土よりキメが細かいんですね。あと、模様を綺麗に出すため。
さらに面倒くさいという。

3mm弱ととても薄く、素焼き後の時点では脆いので、慎重に。

スポンジヤスリを使います。
このスポンジヤスリもなかなかお高くて、減るたびにストレスです。

 

でも、見てください。近くで見ると本焼き前でもこんなにきれいなんですよ。
こちらが木目(四角い大きい皿)。トルコとらくだ色、それに失透磁土です。

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そしてこちらが薔薇(小さくて深い碗)。藤色のグラデーションです。

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うっすらとした模様、写真で伝わるでしょうか。

本焼きすると、とても丈夫になってハッキリとした模様が出てきます。
テスト的にそれぞれ1~2枚焼いてみる予定です。来月中旬予定。

うまく焼けますように。

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