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うたかたファクトリー

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練込に苦戦(練込磁器ができるまで その1:準備)

先日新しい作品に手を付けたのですが、
もうなんか、とんでもなく混色に苦戦しました……

元々は「練込磁器ができるまで」という
シリーズを展開したかったので、
順を追って説明しますね。
失敗したらそこで終了なので、完結するかは分かりません。

かなり長いので、興味がある方だけどうぞ。
果たして誰か読んでくれるんでしょうか。

準備:掃除

まずはこれでもかってくらい掃除します。
これ、かなり大事なんです。

陶土と共通の道具もたくさんあるのですが、
実は陶土に含まれる鉄分が磁土には天敵。
焼き上がりに黒い点が出てしまうんですね。

だから、徹底的に掃除します。
机なんかは5回以上、拭いて雑巾を洗って、
という手順を繰り返してます。
はかりや霧吹きなんかも念入りに洗います。

分量計算

きれいな模様を作るために必須の分量計算。
焼き上がりまで最終的な色がわからないので難しいんです。

どの色土をどのくらい使うのか。
必要な土はどのくらいなのか。
色土に何%顔料を混ぜるのか。
前もって計算します。

磁土に混ぜる顔料は、1%~2%くらいでかなりシビア。
予めテストピースを作って色の確認をしてあるので、
それを参考に計算します。

結果として必要な顔料を小数点以下まで計算、
それに使う土も同様です。

頭が悪いので、内割で計算するのは結構骨が折れます。
この日は(だらだらおしゃべりしながらですが)30分ほどかかりました。

水分調整

やっと土を触ります。
計算に則って計量した磁土を、かなり柔らかくします。
練込は柔らかくしておかないと作陶の最終段階で失敗してしまうんです。

保存袋から出したばかりの磁土は硬いので、
水分調整をします。
目安としては、クリームチーズくらいに。
非常にわかりにくい写真はこちらです。

水分調整前 → 水分調整前

私は練込作陶の中で2番目に嫌いな作業です……。
単純で面白くない上にすごく時間がかかる。
(ちなみに1番嫌いなのはヤスリがけです)

これ、磁土を扱っている方にとっては考えられない方法なんですが
「小さくちぎって霧吹きをかけてまとめる」
これを1ブロックにつき4~5回繰り返します。

水分調整

実際、磁土専門の私の先生は、最初半信半疑の目で見ていました。

一度に水分調整ができる粘土は500gが限度です。
色ごとに4ブロックはあるので、都合5回以上やります。
2kgで軽く1時間以上かかっています。

色土を作る

計算した分量に従って、色土を作っていきます。

粉末の顔料をいちいち混ぜていくと均等に混ざらないし大変なので、
「カラーベース」というものを事前に作ってあります。
顔料と磁土を半々に混ぜてあるもので、50%の色土です。

これを小数点以下第一位まで測れるデジタルスケールで測っておいて
先ほどの磁土に混ぜていきます。

2014-07-09 19.00.11

ちなみに背景の左がデジタルスケール、
右がテストピースとカラーベース各色です。

ここで大失敗! まあ計算段階で間違えてはいました。
明らかにカラーベースが多すぎるとは思いましたが、
できた色土がとてもじゃないけど濃すぎる。

結局、計算も計量も水の泡となって、慌てて磁土を足しました。
また「この色土は何%なのか」の計算し直しです……。

 

この日の作業はタイムオーバーにてここで終了。
半ば心が折れかけました。
色土が1色しかできていないのに、3時間半。
まったくもって非生産的な1日でした。

次回に続きます

お香立て、続々。

今日は工房でちょっと暇を持て余す時間がありまして、
考えてみたら、にゃん香炉のセットにするお香立てを
作ってなかったなぁ、と思い立ちました。

ので、量産。

お香立て(丸)

白土です。13個も作ってしまいました。
そんなに本体作れるのかな……

汚く見えますが、このあと乾燥させたら
あるていど綺麗に削ります。

 

ついでと言ってはなんですが、実用的には使い途が多そうな
スティックタイプ用も8個。

お香立て(長)

こちらは、印花(陶器のスタンプ)のボーダーがポイントです。
普段やっている磁土練込は、手間的にお高くなってしまうんですが
彼らはプチプライスでご提供できるんじゃないかなー、と。

こちらもまだ汚いですが、乾燥させたら削ります。

 

焼き上がったらまたご紹介しますね。

楕円波石膏型の制作工程

主に練込・板作りに使う石膏型の制作風景の写真を撮ってみたので
作り方というか、私なりの制作工程をご紹介したいと思います。

まず、ろくろなどを用いて凹型の原型を作ります。

2014-06-28 18.31.00

 

そこに石膏を流し込んで……

2014-06-28 18.34.40

原型から取り出します。

2014-06-25 18.43.09

底に当たる部分を平らに削ったら
削るための、アタリの線を鉛筆でひきます。

2014-06-28 22.38.15

あとはひたすら、アタリに沿って削ります。

水分が多いほうが削りやすいので、
生乾きの状態でやるか、固まっている場合は
水分をよく含ませてから荒削りします。

彫刻刀などを使う方もいらっしゃるようですが
私は男らしく切り出し刀一本で削り出します。

あとは水につけながら耐水ペーパーで滑らかに。

で、できたのがこちらの石膏型。

2014-06-29 05.54.51

あとは使いやすいように足をつけたら完成です!

楕円波石膏型楕円波石膏型

石膏は水分を吸うので、粘土をかぶせたときに
粘土の水分を吸ってくれて粘土が固くなるんですね。

だから、使うまでに1週間、乾かす必要があります。

早くこの石膏型を使って作品を作りたいです。
作品ができたら、またご紹介しますね!

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