アクセサリ・陶磁器・雑貨の手作りユニット

うたかたファクトリー

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練込磁器ができるまで その3:スライス

前回の記事でスライスまで紹介してしまいましたが、
よりによってクライマックスのところ
もうちょっと写真を撮ってあったようなので
少し時間が戻ります。

スライス準備

スライスする前に、模様が出来上がっている
粘土の形を整えます。
こうしておかないとロスが多くてもったいないので。
(実は前回学んだので初の試み)

もともと四角くできているブロックですが、
型紙に合わせて楕円にします。

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スライス

ここでやっとスライス。
粘土の左右に見えてるのが「たたら板」です。

2014-07-16 17.42.42

両手使うので写真が撮れなかったのですが、
この板の上に切り糸を押し付けて
手前にぐぐーっと引っ張ると
板の厚みに合わせてスライスできるという寸法です。
切った粘土を、「たたら」と呼びます。
練り込みじゃなくてもよく使われる道具ですね。

私が使うのは3mmのたたら板。
通常の陶土ではもたないので、あまり使われない厚さです。
磁土は焼きあがると、とっても丈夫なのです。

よく見ていただくとわかりますが、この時点では
かなり気泡が入っています。
そこで次の工程。

叩く

布の間に挟んで、砂袋でこれでもかと言うほど叩きます。
布目がついてしまうとヤスリがけが大変なので
目が細かい布を使っています。

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それこそもう親の敵のように叩いています。
そうすることで、気泡が抜けるんですね。
気泡に親を殺されたかの勢いです。

私は「叩けばなんとかなる教」と言っていますが、
練込は叩いてればなんとかなります。
教祖は砂袋さんです。

平らにする

叩きすぎてぼこぼこになった、かわいそうなたたらを
めん棒で平らにしてあげます。
お菓子なんかに使われるアレです。

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ここで登場するのが前回の記事で載せた写真ですが
かなり気泡が抜けて綺麗になってるのが
お分かりいただけるかと思います。

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3mmのものをこれでもかというほど叩きますので、
この時点で2mmくらい。ものすごい薄いです。怖いです。
全ては透ける器のため……

型紙に合わせてカット

先ほどの型紙をもう一度あてて、
石膏型にちょうどいいサイズに切り出します。
デザインナイフを使っています。

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次はいよいよ成形です。
よかったらまた続きをご覧になってください。

ずんぐりシリーズ。

 

主に制作しているフェルトの

ずんぐりむっくりしたリスのブローチ。

実は失敗したところからこの子は生まれました。

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なんとか形にしてあげたくて手直し手直ししてあげたら

すごく愛着わいて、可愛く思えてきて・・・。

お嫁に欲しいって言ってくださる方も出てきて

たくさん作っているうちに他の子たちも生まれました。

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ちなみに右側は羊です。

ほとんどの方には羊と気づいてもらえず・・・。

でも、お気に入り・v・

リクエストがありヘアゴムタイプも作ってみたり。

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よく見たら、このひつじちゃん可愛い!(と自画自賛)

 

最近はお休み中だけど、秋に出せるよう頑張りたいと思います!

 

練込磁器ができるまで その2:木目風模様を作る

前回は色土を1色作ったところで混乱してやめましたが、
日を改めたら気を取り直せましたので全ての色土を作りました。
いよいよ木目模様を作っていきます。

各粘土の確認

模様を作り始めてからですと取り返しがつかないので
ここまでできた色土を確認しておきます。

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全部似たような色に見えると思いますが、
左2つが白、右上ふたつが緑・茶色の色土、
右下ふたつが失透磁土(※)です。
だいたい同じ大きさに、四角のブロックにまとめておきます。

※ 失透磁土とは、普通の磁土に「カオリン」という粉末を加えたもの。
私の使っている磁土は透光性があるのですが、カリオンを混ぜると
透光性を失い、光が透けなくなります。
白い部分にこの失透磁土を含めると、光にかざした時に
面白い表情が出せるのです。

磁土は焼くと(少し青みががった)真っ白になりますので、
色は濃く出がちなんですね。
こんなに同じ色に見えてても
実は現時点では色が濃すぎたと感じています。

テストピースを基に計算してあるとはいえ、
焼き上がりまで色の加減が分かりません。
そこが練込で最も難しいところです。

ここからは、乾かないように
ことあるごとに霧吹きをかけて柔らかさを保ちます。

模様にしていきます

いよいよ本格的に練込の作業に入ってきます。

私の作る木目シリーズはとてもシンプルですので
これといって特筆することはないのですが……。

まず、各色を設計に沿って重ねます。

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上から、白・茶・失透磁土・白・緑・失透磁土、です。
かなり色が同じでわかりづらいですね;

下に敷いてあるのはスポンジシート。
磁土を扱うにあたって、とても適した素材です。

 

これを高さを抑えながら伸ばし、半分に切って重ねます。

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ちなみに右の写真上部に写っているのは、
青竹から作ったオリジナルの道具です。

 

この手順を4回~5回繰り返して、まずはストライプ模様を作ります。

2014-07-16 17.11.42

断面は比較的わかりやすいですね。
2回繰り返した時点の写真です。

ちなみにここまでかなり空気が入っていますが、
最終段階で気泡が抜けるのであまり気にせず
作業してしまいます。

満足のいく幅のストライプに仕上がったら、
伸ばしたり縮めたりしつつ歪ませます。
ここで木目っぽくなるんですね。

型紙に合わせて形をまとめる

型紙に合わせてちょうどいい大きさの
楕円にまとめます。

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スライスする

いざ、模様の確認。
3mmのタタラ板を使って、切り糸でスライスしていきます。
この瞬間は練込作陶で2番目に大好きな瞬間ですね。
ちなみに1番はもちろん焼き上がりです。感動する。

 

スライスすると、きれいな木目風の模様が出ました!

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最初に柔らかくしておくのは、この工程で硬すぎると
うまくスライスしきれなくなってしまうためです。

 

長くなりましたので、次回に続きます

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