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うたかたファクトリー

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練込磁器ができるまで その4:成形

成形

スライスしたたたらをきれいにしたら、やっと成形です。

手ろくろの上に用意した石膏型の上にたたらを置いて
押し付けて形を作っていきます。

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私の作る器の形の特長は
この石膏型によるところが大きいです。

練込の本をたくさん書かれている
室伏英治先生の影響ではあるのですが。
(ここまで本の紹介をしていなかったのが考えられない)

押し付けたたたらの形をよりはっきりさせるために
なめし革で表面をなぞります。

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乾かす前に、ハンコを捺しておきます。

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この時点でこんなに色が見えているのは、
完全に焼いたら濃すぎるパターンです……
しかも木目ももう少し細かくしたかった。
練込は難しいですね。

 

乾燥

普通の陶土での板作りでは、石膏型が水を吸って
きちんと形になるのですが
磁土は腰が弱くてこのまま型を外すと形が崩れてしまいます。

そこで、企業秘密ばりの方法をとります。
まあそんなに大したことではないので紹介してしまいますが
普通ありえません。

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石膏型にかぶせたまま、ドライヤーで乾かします。

※ この方法はまだ成功が確立していません。
絶対に真似しないでください。
→ 8/7追記: セーフでした。きちんと焼けましたよ。

これは先生と徹夜ぎみで作業しているときに
ハイテンションで思いついた方法。
このまま買い物に行って帰ってきたら
真っ白になっていて大笑いしたのはいい思い出です。

型を外す

石膏型にかぶせたままの乾いたたたらに
小さな板をかぶせ、ひっくり返します。

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そのまま石膏型を引き抜くと……

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成形完了です!

 

次は素焼き前の仕上げ作業
よろしかったらまたご覧ください。

 

練込磁器ができるまで その5:素焼き準備

前回の記事までの工程で成形が完了したお皿
素焼きに入れるための準備をします。

乾燥

丸一日以上よく自然乾燥させます。

今回はドライヤーである程度乾かしてありますので
特に必要ありませんが、まだ柔らかい生土の場合は
新聞紙をかぶせるなどして、急乾燥や変形・汚れを防ぎます。
また、縁部分は乾きやすいので適量ラップなどで保護します。

バリ取り

縁は型紙に合わせてデザインナイフで
切り落としたままの状態でバリがありますので、
丁寧に整えていきます。

大きく形を変えるときは超硬カンナで削り、
形を変えずに滑らかにするだけの場合は
水を多めに含ませたスポンジでなぞると
滑らかな縁になります。

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ちなみに、この時点ではとても脆いので
本当にそーっとやらないと、こんなことももちろん起こりえます……

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もともと成形が失敗気味だったものだからまだしも、
とてもショッキングで残りを触りたくなくなりました。

ひび割れの修正

全体をチェックし、もしひび割れが見つかった場合には
素焼き後の修正が難しいので、ここで手を加えておきます。

手に少量の水をつけ、ひび割れの周りの粘土を
溶かすようにしてひび割れを埋めていきます。

多少模様は崩れますが、素焼き後にスポンジヤスリで
表面のヨレを削ることにより、模様がはっきりします。

 

次回は素焼き後、本焼き前の準備です。
よろしかったらまた続きをご覧になってください。

練込磁器ができるまで その6:本焼き準備(完結編)

さて、前回までに素焼き準備をして
窯にいれたお皿ですが、素焼きから上がってきました。

と、いうことは。

私の最も嫌いな……ヤスリがけでございます。
単純作業なのに割る可能性が高い。
高価なスポンジヤスリがガンガン減るのがストレス。

気を取り直して。

まず、メッシュヤスリで内側の布目、
外側のなめし革の痕を消していきます。

S

磁土は陶土に比べて焼き上がり時点でかなり
硬いので、とにかく凹凸が消えません。

ガッツリゴシゴシやりたいのですが、
硬くても薄いので
力を入れすぎると案の定割れます。怖いです。

ある程度削ったら刷毛で粉を落として、
様子を見てまた削って……

練り込みじゃなければ削りカスは
スポンジでぬぐって消したいのですが、
練り込みの場合は模様の間に水が入って脆くなるので
刷毛でこすったほうがトラブルが無いです。

と、練り込みの本をたくさん描いてらっしゃる
室伏先生がおっしゃるので、素直に従っています。

メッシュヤスリであらかた削ったら、
#320~600のスポンジヤスリでヤスリ傷を消して、
さらに#800~1000のスポンジヤスリで仕上げます。
要するに、計3回ヤスリがけをするわけですね。
かなり時間がかかります。1枚1時間くらいかな。

これがビフォーアフター。あまり写真では伝わらないですね……。
外側なのですが、なめし痕がきれいになっています。
模様もハッキリと出てきますね。

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ちなみにスポンジヤスリというのはこういうのです。
スポンジに細かいヤスリが付いているので、
曲線でも綺麗に磨けるんですが、とにかく目がすぐ詰まる。
ガンガン減ります。お安いものではないんですが。

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ヤスリがけが終わったら、釉薬をかけます。

とはいえ、今回の色が濃すぎたので、
ひとつだけ透明釉薬をかけて
他は無釉薬で仕上げています。

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次回の酸化焼成の窯稼働が月曜日なので、
水曜には完成品が出てきます!
失敗作のテストですが。

長かった「練込磁器ができるまで」シリーズは
これにて完結です。長い間ありがとうございました。

完成報告がなければ……お察しください。

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